【読書】時間は存在しない
世界的ベストセラー科学本
難しい!
けど面白い!!
- 時間は重力の大きな場所では遅く、重力が小さな場所では速く進む。平地より高地の方が早く進む。
- 時間はエントロピーが大きくなることを意味する、ただし、エントロピーの大きい、小さいのベクトルを決めているのは人間なので、人間による観測と規定がなければ、エントロピーは増減したとは言えず、すなわち時間が経過したことにはならない。
- エントロピーが増大するとは、何か事象に変化が起きることであり、なんの変化も起きないならば、時間は経過しない、すなわち時間は存在しないことになる。
- 光や原子の時間ラグが存在するために、厳密な「今現在」は存在しない。「今現在」が通用するのは、人間がその時間遅延を知覚できないからであり、「今現在」に意味はない。
はい?なんだって?
私たち現代人としては、時間って時計がカチコチ正確に刻むもので、世界標準時が存在してて、地球全部に統一規定された尺度、みたいに思っているところがある。
正確には、そう信じている。
そう思い込んでいる。
けど、実は時間は世界全土で同じ長さで流れてるものじゃない。
Time waits for no one.
歳月人を待たず。
時間は流れ続け、止まることはない。
過去はすでに起きたことで変えようがないけど、未来は決まっていない。
そんなの常識だよね。
けど、時間は絶対になにがあってもなくても過去から未来に向かって流れると決まってるもの、じゃない。
時間は止められないし、止まることのないもの、じゃない。
「いまどうしてる?」
はて、「いま」、とは?
私たちは今現在を生きてるけど、私の今とあなたの今が同じものだと思ってたでしょ?実は、今現在、なんてものは、ない。
うーーわーーー面白い!
次から次へと私たちの時間に対する概念、観念、信じていること、思い込んでいること、足場を物理(学)で分解してくる。
「時間っていう絶対的なものがあると思ってるでしょ?
おあいにくさま!
私たちがあると思ってる、信じてる、『時間』なんて実はないんだ!」
別に、この本を読んだからって明日がこなくなるわけじゃない、
明日いきなり人生が変わっちゃうわけじゃない。
私たちが『時間』を信じていることを否定するための啓発本でもない。
時間ってなんだろう、って疑問を持って向き合うのは面白いんだよ、ってわくわく夢中になってお話してくれる先生の科学読本。
いや、難しいこと言われてもわかんないよ!って笑いながら先生が語ってくれることを聞いてるの、楽しいよね。