毎日が清水の舞台

自己肯定感が低いゆえに毎日が挑戦の日々

映画「ビリギャル」感想

なんとなく敬遠していたのだが、元気が出ると聞いたので見てみた。 

正直、原作にあたる書籍が書店に並んだ当時、「また見え透いたタイトルの泣かせ本が出てきた」程度に斜に構えて手に取ろうともしなかったことを白状します。

 

映画を見る前に、とりあえず目を通そうかと読み始めたところ、

学年ビリ当時の主人公さやかの連発する「珍回答」に声を上げて笑ってしまった。

聖徳太子を「セイトクタコ」と読み「太ってたからこんな名前つけられたんだよ、この女の子チョーかわいそう」とか言い出し、

日本地図を描けと言われて丸を一つ描き「だって日本は一つでしょ」とのたまい、

「東西南北わかる?」と訊かれ「いや~そ~いうのムリっすわ~」とか笑って、

他の塾生たちを笑わせながらも楽しそうな「愛すべきおバカ」なギャルに、

早く会ってみたくなってしまい早々に書籍から映画に切り替えた。

 

文章で読むよりはるかにパンチの利いた金髪ピアスへそ出しギャルルックで登場したさやかが、

友達とカラオケをしながら勉強をするようになり、

質問に正解できるようになって塾の先生と明るくハイタッチをし、

学校の先生や親に「慶応なんて無理だ、夢を見るな」と頭ごなしに否定されて負けん気に火が付き、

「遊びに行けないように」外見をダサくし…

と、だんだんと勉強に「ハマって」いく様子が微笑ましく、痛快で、応援したくなってしまう。

 

家族の「問題」や学力的な「現実」にぶつかりつつも勉強に向き合うさやかは、

なるほど書籍タイトルから思ったとおりの「頑張る姿に感動する」タイプの物語の主人公に違いないが、

決して人に無理だと言われたから無理だと思ったり、諦めろと言われたからと凹んだりしない。

塾の先生や、家族や、友達が「さやかならできるよ」と信じてくれていることを「知って」いる。

これは強い。

こういう人間は、強い。

さやかのどこまでも素直で前向きな強さに元気をもらえる良作だった。

シリアスだったり教訓に満ちていたりしないかもしれないけれど、

ちょっぴり疲れてしまった時にはこういう映画もいいね。