毎日が清水の舞台

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映画「ペンタゴン・ペーパーズ・最高機密文書」

映画「ペンタゴン・ペーパーズ・最高機密文書」

長期化するベトナム戦争に疲弊する1970年代初頭のアメリカ。

政府高官とも交流がある女性社長ケイ(メリル・ストリープ)は、家族経営の新聞社を近々上場するので落ち着かない生活を送っている。

そこにライバル会社のタイム紙が、突然スクープしたアメリカ政府の「機密文書」で、長年政府がベトナム戦争の不利な状況と事態の悪化国民に隠して「国家の見栄」のために兵士を戦場に送り続けてきたことが暴かれる。

社会が騒然となり政府はタイム紙と裁判状態に突入するが、ケイの新聞社(ポスト紙)でも「機密文書」が入手できた。

公表して裁判沙汰になったら、上場直後のポスト紙は廃刊に追い込まれる……

それでも公表するか?

政府の圧力に屈して保身の道を選ぶか?


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まぁ正直、前半状況の背景や一人ひとりの社会的立場の説明に時間が多く割かれてて淡々と……完全に「他人事」を見てる感じだった。
いや、ベトナム戦争のことは色々映画見たからアメリカの不利益とか若者を無意味に投入してるって構図は分かってたけど。


 

新聞社の株式上場とか、社内上層部や政治家との人間関係をケイの視点から次々に見せられても、ふ〜ん……女性社主のケイが幹部から軽んじられてるんですねということしかわからなかった。

たしかに、時代背景が1970年代初頭で、女性重役の軽んじられ方は現代より厳しかったんだろうけど。


ケイがあまりにも萎縮しちゃって弱々しく見えて、一方で男性陣がずっと強気で傲慢に主導権を握っている構図。

メリル・ストリープは鬼みたいに強い女性リーダーもなよやかな女性も演じられて好きですよ。

 

でも、この状況ファクターが大事!


ポスト紙が文書を入手してからのスピード感と緊迫感が加速して一気に引き込まれたな……

政府の不義を暴く証拠を持っている、その責任感の重さ。

公表するか、隠すか。

公表することで失うかもしれないものの大切さと、隠すことで失うものへの使命感の間でみんなおのおの意見と覚悟があるのがアツい。アツいんだよ!!


周りから軽んじられて、女に経営は無理だと言われ続けて萎縮してしまったケイに、最終決定権がある。

 

でも、それでも、彼女は本来正しい判断ができる女性だった。

それを主張する勇気を挫かれ続けてきただけ。

 

彼女が振り絞った正しく在る勇気は社会を動かした。

「民主主義において発言の自由は脅かされてはいけない」

彼らが重要視したのは、公表することで「人命や国家・個人の財産を脅かす可能性があるか」のボーダーラインだった。

公表することで救える命をみんなが祈っていた。

 

昔の話じゃない、現代でもすぐ近くで起きている問題。

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