店頭の一冊と出会う期待値、減少現象
古めの本を探して、時間を見つけてブックオフ行ったけど、どうしても今欲しいと思ってるものなんて、やっぱりないよねぇ。
近年じゃもう、ほしい中古本や古い出版年の本は、ネットで取り寄せるのが普通になった。
逆に言えば、全国の店頭からほしい誰かが求める本をピンポイントで持っていってしまうから、一期一会の機会というのは確率的に低くなってるのだろうなぁ。
本好きとしては、一冊一冊の本が、読みたい、ほしい、手元に置きたいと思ってる人の元に行けるのは喜ばしいことだと思う。
けど、本のマッチング率が上がって浮動状態の本が少なくなったら、古本屋で出会った本が大切な一冊になる可能性は、母数の機会減少に伴って減ってしまうんだろうと考えると、これもまた寂しい。
自分の体感に過ぎないけど、ここ数年これはと思う店頭での出会いは少なくなった。
以前に比べると、古本屋の棚に並んでる本たちから、自暴自棄な空気すら漂ってくるような。
笑いさざめく女の子の密やかな期待感のようなものが、以前は本棚のそこかしこにあったはずなのに。
これは少々もの哀しい。
しかたのないことながら、もちろん自分もネットの便利さを享受していながらも、
寂しいものは寂しい。
ふと出会った店頭の一冊が人生を変える日々は、遠くにありて惟ふ日々。